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2017-09-10

タイミング

2年ほど前、仕事で富山へ行く途中に神岡町(岐阜県)の道の駅に寄った。
安曇野から上高地方面に向かい、安房トンネルを抜けて奥飛騨を行くと、
この町はちょうど富山との中間あたりになるので、
いつも立ち寄って野菜などを買ったりする。
科学・宇宙に興味のある方ならご存知の、「スーパーカミオカンデ」が地下深くに
ある町である。
その日、道の駅の中に「スーパーカミオカンデ」の「光電子増倍管」が展示されている
のは以前立ち寄った時に見て知っていたので、
写真でも撮っておこうと思い中に入った。
平日のせいかあまり人気もなく、なんとなく薄暗い感じであったけれど、
増倍管の所に大学生らしい男の子が二人いて熱心に写真を撮っている。
たぶん、その系統の勉強をしているんだろうと思って見ていたが、
二人でグルグル回りながら細かい所まで熱心に見ていて、
いつまでたってもそばから離れない。
こちらも写真を撮りたいので、ちょっとだけどいてもらおうかとも思ったけれど、
何か指差しながら、真剣な熱さを感じたので、
まあいいかと思い、あきらめて富山へ向かった。

その晩、家に帰ってテレビを見ていたら、梶田教授のノーベル賞受賞のニュース。
ニュートリノ振動の観測は、もちろん、「スーパーカミオカンデ」。
家内に「すごいタイミングのfacebookネタだったのにー」
と言われたけど後の祭り。
あの大学生たちは今ごろ、さぞ興奮してるだろうなと思うと
なんだか微笑ましくなった。

そして、今年、久々に寄ってみたら、照明も明るくなって
展示品や資料もずいぶん増えていた。
ノーベル賞効果である。

それで思い出した事がある。
もう十数年前、東京・町田での仕事。
有楽町の東京国際フォーラムの前で待ち合わせて
車で町田に向かった。
メンバーは大手住宅メーカーから独立したコーディネーター、
別の大手住宅メーカーの女性、あと施工会社の人。
4人で現場を見たあと、施工会社のある東尾久に戻って、
狭い路地にある小さな寿司屋で酒を飲んだ。
一時間程して女性が一人加わった。私は初対面だった。
誰かが「相変わらず忙しいの?」と聞いた。
「でも、とりあえず、今日が大変でさー。暇だったら行ってみて。」
と言って一枚のコピー用紙を差し出した。
普通のコピー用紙の、そこには手書き風の文字で、
「秋元康プロデュース AKB48いよいよデビュー」
と書かれていた。
明日がデビューで、今日は最終の衣装合わせだったとの事。
衣装を作る会社の女性だった。
いろいろ内輪話を聞いたあと、
「またおニャン子やるんだ」と男どもは少し盛り上がった。

もちろん、というか、それは見に行かずに
翌日家に帰った。
高校と中学生だった息子たちにその紙を見せたが、
「へー」と言っただけだったので、そのまま捨てた。

その数年後、二人は毎晩のようにDVDを見ることになる。
あのチラシもとっておいたら・・とか思ったりした。

AKBの初日の公演の客数は7,8人だったという。
もし私が行っていたらプラス1だった。
いい話のネタになっただろう。

それ以来、思う。
もしも何かの始まりに
絶妙なタイミングで居合わせたら、
多少興味がなくても立ち会ってみようと。

そう心がけるようになった。